関税が経済・投資に与える影響は??初心者向けに分かりやすく解説!!

目次

1.そもそも関税とは?

2.関税が経済に与える影響

3.関税が投資に与える影響

4.投資家はどう備えるべき??


1.そもそも関税とは??💸

①関税の仕組み

関税とは輸入品にかけられる税金のことです。

フィリピンなどの発展途上国においてこの税収はとても重要で、国の税収の30%近くを占める国もあります。

②関税の目的

関税とは単なる税金以外の側面でも重要な側面を持っています。

●国内産業の保護

外国製品が安すぎる場合、国内産業が太刀打ちできずにダメージを受けます。

例えば、

アメリカ産の牛肉100g100円と国産の牛肉100g200円だった場合・・・

多くの人は安い方を選びます。

そうすると、国内の酪農家たちは競争に負け、産業自体が衰退してしまいます。

●政策的な対抗手段

ある国が他国に対して不公正な貿易(政府から特定産業への補助金、ダンピングなど)をしていると判断した場合、対抗策としてその国の商品に高い関税をかけることがあります。

以下は実際の例です。

2020年に中国が異常に安い価格で太陽光パネルを輸出

欧米のメーカーは価格競争に敗れ、多くの企業が廃業に

アメリカとEUはアンチダンピング関税を導入し、中国製パネルの輸入を規制

ダンピングに対する関税も国内の産業を守るためにあるものの、本当にダンピングかどうかというのは国の判断に委ねられることが多いため、政治・政策的な要因も多く関係してきます。





2.関税が経済に与える影響📉📈

①企業への影響

✅プラスの影響

競争が減る→国内産業が守られる

(例)高い関税→海外製品の価格上昇→国内製品が売れやすい

(例)鉄鋼や農業などの産業は関税の恩恵を受けやすい


❌マイナスの影響

・原材料コストの増加

前トランプ政権の際、アメリカは鉄鋼製品に関して関税をかけました。

その結果、アメリカ国内の自動車メーカーが部品調達コスト増加で苦しむ結果となりました。

・報復関税のリスク

(例)中国がアメリカの関税に対抗し、アメリカ産の大豆に関税をかける→アメリカの大豆農家へ大打撃


②消費者への影響

❌マイナスの影響

・輸入品の価格が上がり、消費者の負担が増加

(例)ページ上部のリンゴや車のイラストみたいな感じ…


③国全体(マクロ経済)への影響

✅ブラスの影響

・関税を上げることで政府の収入源が増えることになる(発展途上国では特に重要)

❌マイナスの影響

・貿易&経済成長の停滞

関税合戦になると世界全体の経済が停滞します。

実際に米中貿易戦争で世界のGDP成長率が下がった実例も存在します。

参考:エコノミストオンライン:米中の一時「停戦」は必然だった 米国で貿易戦争の悪影響が顕著に=ポール・シェアード

・グローバル企業にとって不利

例えば、中国に生産拠点を置いていたAppleは関税による影響を多く受けました。

実際にアメリカが中国からの輸入品に対して関税をかけた際、Appleの利益率は低下し、株価にも影響を与えています。

参考:Bloomberg:半導体銘柄とアップルの株価が下落-中国が報復関税を発表




3.関税が投資に与える影響(具体📊

①Appleと米中貿易戦争(2018~2019年)

📉影響

トランプ政権が中国製品に高関税(最大25%)を課す

商品コストの増加・価格上昇

消費者の買い控え

Appleの株価が2018年10~12月で約30%下落


②鉄鋼・アルミ関税(2018年・トランプ政権)

📈影響

アメリカが鉄鋼(25%)、アルミに10%の関税をかけると発表


米国内の鉄鋼メーカー(USスチール、ニューコアなど)の株価上昇


自動車や航空企業・建設企業(フォード、ゼネラルモーターズ、ボーイング)は業績悪化で株価下落



4.投資家として関税リスクにどう対応すべきか?

①分散投資でリスクを抑える

関税の影響を受けるのは特定の業界や国に依存している企業であることが多いです。

そのため地域・業界を分散させた投資が関税リスクに対抗するための有効策です。

(例)S&P500やオールカントリーのインデックス投資
 コストを価格に転嫁できるブランド力を持つ企業(Apple、Tesla,Nikeなど)や、
 関税の影響を受けやすい製造業以外の銘柄(ハイテク、ヘルスケア、エネルギー)に注目!!
(例)米中関係の影響を受けづらい新興国ETFを組み込む



②関税の恩恵を受ける/対処できる企業・業界の銘柄を狙う

・関税で恩恵を受けやすい業界は?

✅国内製造業→関税で海外製品との競争が減少します

例:USスチール、ニューコアなど

・関税の影響に対処できる業界は?

✅サプライチェーンの移転を進める会社

例1:Apple(ベトナムやインドへ工場を移転)

例2:TSMC(アメリカ・日本に新工場)


③債券や金などのディフェンシブ資産の活用



5.まとめ📕

関税は多くの投資家にとってリスクになり得る存在でありますが、時として利益を生み出すこともあります。

関税政策が一時的な物なのか、長期的な物なのかを見極めることも投資家にとってとても重要な要素になってくるでしょう。

関税発表があるたびに市場が乱高下することもあるでしょうが、トレンドを見極め、長期的な視点を持つことが最も有効な対抗策なのではないでしょうか。

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